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「夜スペ」について一考

どうにもこうにも意見を述べたくなって、学級通信でも取り上げた。
ブログにも(加除修正して)アップしておきたい。


「東京都杉並区立のある中学校で放課後、成績上位層に対し、進学塾講師による入試対策の有料授業(夜スペ)が実施され話題になっている。公立が私立に進学のうえで対抗するすべとして賛同の声も少なくないようだ。しかし、この学校は従来の学力観、知識注入の学習法、日本の進学方式(試験偏重)という現状を是としたうえでの妥協案を提示したにすぎない。」


と新聞の記事に書かれてた。
(信濃毎日新聞2008年2月18日付 教育欄「コンパス」より)


上記の「夜スペ」については東京都教育委員会から“待った”がかかったりして報道もされたので、有名になった。この「ある中学校」というのは杉並区立和田中学校のことで、校長は東京都で民間人初の公立中学校長となった藤原和博氏ということは知られているのだろうか?


上記記事にある「この学校は従来の学力観・・・」はまったくもって見当外れで、和田中学校こそ総合学習(よのなか科)が全国的に注目されてきた学校でもあり。本県でも「よのなか科」を真似て総合的な学習の時間を進めている中学校がある。


だからこそ、この学校は「ゆとり教育」を進めて、全国的に名の知れた学校なんだと思う。


その学校が「夜スペ」を導入したのには報道されているような、成績上位層だけを優遇するような背景があったようには思えない。ここからは全くの私見だが、「夜スペ」を受講する子は通塾していなかった子が多いのではないか。(この時期に新たに塾に通える子は、塾に行っていないのではないか)

そして「夜スペ」では提携している学習塾の通常より安い講習料で講義を受けられるのならば、塾に行きたくても行けなかった子を“救済”する意図もあったように感じる。また、会場がいつもの校舎であり、時間帯も放課後であることから、遠くの塾に通う必要がなく、時間的な余裕も子どもたちに生み出せる気がする。


藤原氏は著書『新しい道徳』(ちくまプリマー新書)で以下のように述べている。(ちょっと長いけれど引用したい)

=====引用開始=====

日本の教育界は、完全に、流れを読み違えているのである。
これはいったい、どういうことだろう?(中略)
この解明こそ、大人たちが陥っている「学力不眠症」を癒す鍵だからだ。

たとえば、公立校出身の高学歴の親でさえも「小学生を夜遅くまで塾に通わせ、なんとしてでも中高一貫の私立に入れることが勝ち組になる条件だ」「東大を頂点とする学歴社会で勝ち残るためには、寝ないで勉強した方が得だ」と考えてしまう症状があるが、これは根拠のない誤解である。

しかし、大半の親がそう信じ込んでいると、親と子も、この波から抜け出るのは難しい。結果、学力の高い子どもたちまで早寝、早起きの習慣が崩れてしまい、ゲームやケータイに夜遅くまで興じる傾向の強い学力の低い子どもと合わせて、日本の子どもたち全体の内容と精神が蝕まれてしまう。

この流れを変えることなくして、教育改革もへったくれもないだろう。


=====引用終了=====

「この流れを変える」ための手段の1つとして「夜スペ」が設けられたように私には思える。


別に新聞記事を批判しているのではなく、人によって物事の見方がずいぶん違うなぁと感じたので、こんなにも長々と綴ってみた。

少なくとも一方的な見方はしたらまずいと思う。
自分も気をつけていることではあるけれども、多面的に物事をとらえられるようにしたい。

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